アナログレコードの魅力


平成生まれがハマる、アナログレコードの魅力

 昭和の時代では当たり前だったアナログレコード。
いつしか音楽を聴くための媒体はCDやMP3などのデジタル音源が主流となり、小型大容量の再生デバイスに好きなだけ音源を持ち歩ける便利な時代となりました。さらには、高性能DACによるハイレゾ再生というものが話題になり、手軽に高音質再生ができる環境がオーディオマニアのみならず、一般ユーザーにも普及しつつあります。

 デジタルオーディオでは数万曲の楽曲データをデバイス上で管理し、プレイリストを作成する等、聴きたい曲を即座に呼び出して再生できるという便利さを持っています。音質も利便性も抜群に良いわで、これはもう至れり尽くせり。これはこれでなにひとつ不満はありません。

 しかし、過去のものであるアナログレコードは現代のデジタルオーディオに負けておらず、未だに愛好家は多いです。理由は個々にあるとは思いますが、ジャケットのデザインやコレクターズアイテムとしての所有感、可聴域外の周波数帯域を含んだ広帯域再生能力、こだわりの再生機器、周辺機器といったもの存在です。

アナログレコードに目覚めたきっかけ

 私は昭和歌謡というものが大好きです。
歌謡曲というジャンルの音楽を聴いていると、歌詞や曲調はもちろん、バックで演奏するビックバンドやオーケストラが奏でる情報量の多い濃厚なサウンドが堪らなく、伴奏だけで充分に満腹といった程です。特に1960〜70年代後半あたりのムード歌謡や歌謡ポップスが私のお気に入りです。
 70年代にオーディオ・ラジカセ黄金期が到来し、豪華なオーディオ機器、素晴らしい名機がたくさん生まれた理由はこの時代の音楽界、歌謡界が素晴らしかったからだと個人的に思っています。

 話を戻すと、私は普段のリスニングとなるとCDからリッピングした音楽データを再生していたのですが、オーディオマニアであるが故?唐突に当時の人達が聴いていた"本物の音源"を聴いてみたい気持ちが芽生えたのでした。私がアナログレコードの再生環境を揃えることになったきっかけはこのような感じです。

アナログな音質に感動

 そんなこんなで、とりあえずハードオフで投売りされていたジャンクなレコードプレーヤーとEPシングル数枚を購入したのでした。そして、買ってきたレコードを再生しようとレコードプレーヤーをアンプに繋ぎ、ターンテーブルにレコードを乗せて電源を投入し、レコードに針を落としてみました。

 ・・・あまりの音質の良さに感激。

 正直、アナログレコードというと、CDの音質には到底及ばない昭和の枯れた技術のモノだと思い、蓄音機のような解像感に欠ける篭った音しか出ないものだと思い込んでいたのです。まるで初めて真空管アンプの音を聴いたときのような衝撃です。

それからアナログレコードの虜になってしまったのでした。

 日頃、便利なデジタルデータばかりを扱っていると、レコード盤やレコード針にメンテナンスが必要なアナログレコードは不便に感じますが、レコードの音溝に刻まれた音声信号を針がトレースして機械的な振動を電気信号に変換するという機構を経て再生される音というものは趣が深く、面白く感じます。 
 また、ターンテーブルやレコード針、フォノイコライザーは当時のものに留まらず、現行品として様々な機種が販売されており、これらを使用することで様々な音質で再生することができ、オーディオを楽しむ幅が広がります。再生機器はハードオフ等で安価に手に入るので、この便利なデジタル時代のなか今一度、アナログの世界に浸ってみるのも良いかもしれません。