放送設備向けスピーカーのメーカーと特色


 放送設備向けスピーカーは様々なメーカーが販売しています。ここでは世に多種のPAスピーカーを送り出したメーカーにフォーカスを当てて見ていきます。

その3- 【Victor】

 ビクターは戦前に米国ビクター社の日本法人として設立された会社で、長らく日本ビクター株式会社として存在しましたが、2000年代にケンウッドと経営統合を行い、2011年にJVCケンウッド株式会社となりました。その後、放送設備を含む視聴覚機器、無線機器はJVCケンウッド・ビジネスソリューション株式会社が取り扱っていましたが、2016年にJVCケンウッド・公共産業システム株式会社へと社名変更が行われました。

 一般放送設備向けにはVictorブランド、プロオーディオにはVOSSブランドが用いられていたものの、ケンウッドとの経営統合後はどちらもJVCブランドに統一されています。ビクターのロゴとなっている犬には「ニッパー」という名前が付いており、このロゴは蓄音機から流れている亡くなった飼い主の声(His master's voice)に耳を傾けるニッパーの姿が描かれた絵に由来しています。

 スピーカーユニットの型式はSKAxxxx-xxxやSSVxxxx-xxxといった形式で名付けられており、主要な製品は以下のような型式で販売されています。

SB- 壁掛型(旧表記)
SB-xxxC ホーン型(旧表記)
SB-H 防滴型、ホーン型
SB-HC 防滴天井型
SB-W 壁掛型、壁埋込型
SB-X 天井型
SBC- 天井型(旧表記)
SBW- 壁掛型(旧表記)
PS- プロオーディオ用