液晶表示不良のポケコンを修理する


2014/05/18

眠りから覚めると

 学生時代に使用してから眠っていたポケコン(PC-G850V)を数年ぶりに電源を入れてみると液晶画面に縦線が入ってしまっていた。

 このように全体的に縦線が入っていてかなり画面が見難い状態だが、微かにRUN MODEという表示が見えてキー入力も受け付けるので、本体自体は生きている模様だ。
 どうにかして修理しようと同様の事例をネットで検索してみてもページを探し出すことができなかったので、分解して原因を探ってみることにした。

とりあえず分解してみる


ビスを外すと殻割りできる

 いざ分解してみると、1枚モノの基板にそれぞれの部品が実装されているといった状態だ。
軽く目視してみても特にこれといって液晶表示関連の回路部分に腐食等が見受けられるわけでもない。

 そこで、液晶モジュールと基板を接続しているフラットケーブルの電極部分を指で触ってみると画面がちらつくことが確認できた。どうやら経年により、ここの接触状態が悪くなっているようだ。
 フラットケーブルの修理方法について情報収集してみると、このようなタイプのフラットケーブルは熱を加えてやると再度接着能力が復活するといったことを目にしたので、早速実践してみることにした。



使用工具:ハンダごて、クリップ

 ハンダごてをそのままケーブルに当ててしまうと過熱で溶かしてしまいそうなので、コテ先にクリップを装着してみることにした。修理方法はフラットケーブルの端から端へとクリップの金属部分を数秒間当てて、地道に移動させていくといった作業。コテを当てる時間は2〜3秒を目安とした。

恐る恐る、ハンダごてを当て続けると


徐々に縦線の数が減少


完全に回復

 ある程度やるとポケコンの電源を入れて表示状態の確認をしてみて、きちんと表示されるまでこの作業を繰り返し行う。

 ハンダごてを往復させること数回、見事に復活した!

 もう一台持っているPC-G850のほうも液晶に縦線が入っていたので同様の方法で修理してみた。PC-G850Vとは基板の配置等が若干異なるが、行う作業は同じである。


PC-G850の内部


2台とも正常動作するようになった

 液晶画面に縦線が入るといった故障は特殊な道具も不要で、容易に修理可能なので同様の症状で困っている方には、ぜひこの方法をお試しいただきたい。