デジタルオシロスコープキットを組み立ててみる


2015/12/21

屋外でオシロスコープを使いたくなるが

 VCDSツールを使用して車のコーディング作業を行っていると、車内の至る所にパルス状の電流が使用されているということがわかり、テスターのみでは役不足で、時間軸を含めた信号の波形を確認したくなる場面が出てきた。

 据え置き型のブラウン管式オシロスコープなら既に持っているものの、これをわざわざ車まで持っていくのはかなり厄介である。とにかく筐体の大きさが壁となる。大きく重く可搬性が悪い上、ただでさえ狭い車内の場所を奪われる。おまけに安定した電源を確保する事を考えると・・・なのである。

 そこで活躍するのがハンドヘルド式のオシロスコープだ。見た目はテスターと変わらぬコンパクトさで、バッテリー駆動ができるすごい奴。様々な場所で活躍できるのは大変魅力的ではあるが、据え置き型のデジタルオシロが買えるほど高価なのがネックとなった。

コンパクトで実用性が高く、安価で入手可能

 そんな中、ネット通販を眺めていると、デジタルオシロスコープキットなるものが\3,000台という低価格で販売されているのを目にし、迷わず購入したのである。

 購入したのはSainSmart社のDSO138。2.4インチカラー液晶を搭載。DC9Vで動作可能で、帯域は200kHz、分解能は12bit、最大入力電圧は50Vとなっている。

 外寸は120×75という持ち運びやすいコンパクトサイズで、ワニ口タイプのプローブも付属してくる。

早速、組み立ててみる

 基板は主基板と液晶基板の2枚に分かれている。難易度の高い表面実装部品は予め半田付けされているので、約50点程度のディスクリート部品を説明書にしたがって半田付けしてやると完成する。なお、すべての部品を取り付けても、表面にあるテストピンをショートさせてやらないと動作しないので要注意。私はここに嵌った。

パーツと付属のプローブ

説明書は残念ながら英文表記となる

作業終了!

 組み立て後は内蔵されている1kHz/3.3Vの基準信号を元にキャリブレーションを行うことで使用可能となる。

使用感は良し、そして小細工をしてみる

 カラー液晶の視認性は良好。しかし、操作ボタンが少なく、回転ノブが無いので直感的な操作ができないのが少し気になるところである。このあたりは単機能ということと価格を考えれば納得できる。

無事動作

カッティングシートで絶縁処理

 基板がむき出しだと、何かの拍子にショートさせてしまいそうなので、裏面にカッティングシートを貼り付けてみた。これで少しは安心できるだろう。あとはケースに組み込むと完璧だが、このままでも十分に持ち出し可能なので、屋外での車やバイクの電装系の信号観測から、マイコンを用いたハードウェアのデバッグにも活用できそうだ。

・・・欲を言うと5V電源で動作してくれるとなお嬉しかったり。